2017年4月9日日曜日

キツネVSオオカミ


米子の飲み屋街にひっそりとたたずむ祠。
どこにでもあるお稲荷さん、
…ではないらしい。
お稲荷さんはキツネを祀っているが
この祠は「木野山神社」で
オオカミの神様なんだって。
キツネの天敵がオオカミだから
お稲荷さんのライバルと言っていいのかも。

古来より、伝染病や精神病は「憑き物」だとして、
主にキツネのせいだと考えられていた。
キツネにとっては迷惑な話だけど、
特に山陰は「キツネ憑き」伝承の
発祥地だとも考えられている。
で、憑き物落とし、ということで
伝染病や精神病に霊験あるとされたのが
キツネの天敵、オオカミ信仰だそうな。

ただし、この祠のオオカミ様が
やっつける相手はキツネではなかったようだ。

幕末(あるいは明治)に
コレラが流行った。
人々は恐怖に駆られ、この病気を退ける神様を探した。
コレラは当時、「虎烈刺」と表記されていた。
「虎」に勝つのは「狼」だということで、
オオカミを祀る備中木野山神社から勧請したらしい。

何の都合で、この場所が選ばれたのかは
わからないんだけど、
このあたりが繁華街になるのは
ずっと後のことだから
もともとは、ひっそりとした風景だったのかも。
昭和の高度経済成長期にはネオンひしめく
キラビヤカなところになっちゃって
オオカミ様もびっくりしただろうなあ。

呑み屋を渡り歩く「大トラ」退散の
願掛けもされてたりしてね。

広島カープファンが
阪神戦の時にお詣りしてもよさそう。
真っ赤だし。




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