2017年7月8日土曜日

大山開山の物語 


来年は大山が開山して1300年。
ずっと構想していた大山開山の物語が
ようやく完成した。
「大山寺縁起」に記載されている伝説を
日本史ロマン風にアレンジして
エレキ紙芝居に構成した。

元ネタの大山開山の由来はこうだ。

☆☆☆

金色のオオカミに導かれ
霊峰・大山に入った猟師が、
これを射ようとしたところ
地蔵菩薩の光につつまれ、
たちまち殺生の心をなくす。
光が消えると、そこにいたのは
金狼ではなく年老いた尼僧だった。
尼は前世で猟師と深い因縁があり、
彼を大山に連れてくるため
オオカミに化身したのだという。
猟師は金蓮と名を変え、大山開山の祖となった。
 
☆☆☆

この話をこれまで紙芝居にできなかったのは
大きな謎があったからだ。
大山は霊峰とされ、
大昔から入ってはならない聖域だった。
その禁を破って初めて入ったのが
男ではなく女の僧だったのはなぜか?
猟師と前世であった深い因縁とはなんなのか。
この年老いた尼さんの正体とは?

この謎にワタシなりの解答を用意しないと
物語ができない。
鍵となったのは、やはり
同じ大山寺縁起に書かれた
他の段のエピソードだ。

大山のふもと出身の娘が
都で文武天皇に見初められ、
妃となった「玉清姫伝説」である。
文武天皇の子が有名な聖武天皇だ。
大山の開山718年は聖武天皇の時代なので
この時代背景を取り込むことにした。

歴史的通説は聖武天皇を生んだのは
藤原不比等の娘・宮子。
とても興味深いエピソードの持ち主で
宮子は聖武天皇を生んだ後、
精神疾患を長く患い、
唐から戻った遣唐使の学僧の祈祷によって
正気に戻って聖武天皇と再会したのが
36年後だという。

この話を脚色してドラマ化したのが
「大山開山の物語 オオカミヤマと金の蓮」
なのだ。
乞う御期待!
上演オファー待ってます。





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