2016年3月29日火曜日

だへん?

米子地方の方言、つまり米子弁というものが存在する。だーもん、関西弁や広島弁のように、一般的に知られとらん。使用人口が圧倒的に少ないせいもあるだらあし、山陰の都会人を標榜しているふしのある米子人は、よそに出るとき、特に都会では口にせん。米子人は自分が田舎出身と露見するのを極端に嫌うけん、米子弁を頑なにしゃべらんだ。
そげ言うワシも、東京に30年以上暮らしとって、家庭でも米子弁は使わず、標準語だ。その一方で、方言にコンプレックスのない、たとえば大阪人にひそかにあこがれ、いや、嫉妬すらしちょった。プライドを持って地元の方言をしゃべる、ワシもそげな風にできんもんだらか。そげ思うけど、なかなか多勢に無勢では、ままならんわ。

そげしちょーうちに、地元でも、若い世代を中心に標準語化が進んで、ネイティブな米子弁を町の中でさえ、聞く機会は減る一方だだがん。
ところが、米子でも指折りのおしゃれなカフェレストランで、この言葉を耳にした。
「だへん?」
おお、いまでも若い女性(にょーばんこ)が使っちょうとは!
「だへん?」は標準語に訳すと「でしょ?」。相手に同意を促すカジュアルな感じの女性言葉だ。あんまり男性は口にしない。 使いやすいけん、今でも死語にならずにすんどるだらあか。脈々と受け継がれちょうと思うと、なんだか愛おして、聞き耳たてて、も一回「だへん?」を言ってごさんか、期待してしゃった。「だへん?」を使った女の子は、素直で純粋、めちゃめちゃ可愛く思える。好感度高いで。東京の女の子も使ってごさんかいな。

2016年3月28日月曜日

モサエビの至福

モサエビって知っちょーかや?漢字で書くと、猛者海老。勇壮で強そうなイメージだあもん、米子では「ドロエビ」とも呼ばれちょー、このエビは、味は繊細でむしろ女性的。口にすると、思わず「あま~い!」と、どこかのお笑い芸人みたいに叫んでしゃーほど、旨味が濃い。ワシはカニよりずっと好いちょー。ワシ的にはキング・オブ・海鮮!
特に頭のから揚げ、こぉが香ばしくて、熱いミソがちゅっと、口の中いっぱいに濃厚なうまみが広がるだがん。思わず「ビールごせ!」と、これまた叫ばずにはいられんけんなぁ。エメラルドグリーンの卵がまた、なんとも目に美しい上に、プチプチと食感もええ。鳥取県人でよかった!という至福の時間だわ。そぉでモサエビは足が早い、つまり痛みやすいけん、ほとんどが県内で消費しちょーすこで、ほーだけん東京ではほとんど知られとらん。まさに幻の味だうぇい。
カニ漁が終わったけん、これから漁師さんがいっぱい捕って県下の市場に回してごしなーわい。ああ、東京の人、ごめんよ~。うっしっし!