2016年11月29日火曜日

七人の侍と鳥取県


「七人の侍」といえば、
史上最高にして最強の日本映画。
デジタル処理されて蘇ったこの作品を
最近、映画館で観た。
 
野武士の集団に狙われた農村が
浪人侍を雇って自衛する、
あまりにも有名なストーリー。

ところが黒沢明監督が参考にした史実が
じつは鳥取県が舞台なんだとか。
鳥取県人なのに、ワタシは、最近になって
この情報を知って、今さらながら
ワクワクドキドキしている。

用心棒8人分の費用24石のほか、
「城ごしらえ」用の防護柵や堀など、
村の防衛に使った費用が記載されている

「因幡国智土師郷上村結解状」
(1342年)という古文書がそれで、
横浜市の金沢文庫に収蔵されているらしい。


この古文書を、黒沢明監督はじめ
「七人の侍」シナリオ陣が読んで、参考にし
あの奇想天外、だけれども超リアルな
ドラマを生み出したということらしい。


でも、ワタシがワクワクしてるのは
そのことだけではないんだな。


七人の侍の内でもっとも腕の立つ、
最強の武士・久蔵をご存じだろうか。

「自分を叩き上げる、それだけに凝り固まった奴 (勘兵衛・談)」
小柄で細身だが剣はめっぽう強い。


この久蔵のモデルになった人物が
米子と関係あるかもしれない。

剣豪と呼ばれるサムライはいろいろいるけど、
実在した中で有名なのは柳生宗矩。
なにしろ家康に召し抱えられ、
家光の時代には指南役、
やがて腕一本で大名にまでのぼりつめた唯一の存在。
つまり戦国時代で最強の剣豪?

ところが、この宗矩には、めっぽう強い兄・宗章がいた。
弟の宗矩とともに徳川家康に召されたが
なんと仕官を断ったという。
その理由が、武者修行!

まさに「自分を叩き上げる、それだけに凝り固まった奴」ではないか。

この宗章、武者修行の末、
たどり着いたのが米子城だったのだ。

執政家老・横田内膳に乞われて 
食客として仕える事になったのだが、
ここも、勘兵衛の人柄に惹かれて
同道を決めた久蔵と似ている。

しかも、宗章は米子城で壮絶な最後を迎える。
七人の侍のエピソードそっくりに、
日本刀を抜き身にして
数本地面に付き刺し、襲いかかる敵軍を
吹雪の中バッタバッタと斬り倒した。
最後は刀折れ、戦死したが
斬り倒した敵兵の数は18名!

映画以上にすさまじいシーンではないか。
実在した剣豪と滅びの美学。
く~!! しびれる。

映画を撮るために、リアルな設定を求めて
史実を読み漁っていたという黒沢明監督とシナリオ陣が
舞台のモデルとなった、おなじ鳥取の
この「米子城騒動」を参考にした、というのは
あながち突飛な連想ではないと思う。

そのうち、エレキ紙芝居にしようかな。
もちろん、痛快時代劇、講談調で!

2016年11月28日月曜日

輪廻転生



輪廻転生(リインカーネーション)は
ホントにあるのだろうか。

昨日、淀江文化センターで開催した
立体音楽絵巻
「縁(えにし)~かみよど宴喜」の
メインテーマのひとつとして
構成したのだった。

演目のひとつ、
インドネシアの民族芸能
ガムラン演奏の最中に

「時間と空間を旅する心地になり
魂が何かをかすかに覚えているような
既視感があった」

という方がいた。

本人しかわからない感覚だが
なんともいえない懐かしさがあって

「ふたたび出会えた」

と、感きわまったんだとか。

それが何に対して、あるいは誰に対してなのか
詳しいことはわからないけど
押し寄せてくる感覚があったようだ。

もし、前世というものがあって、
そこで心底、気を許しあい、
愛し合った相手がいたとする。
すっかり記憶はなくしているのだけれど、
その時感じていた、絶対的な信頼感や安心感が
突如、蘇ったということなんだろうか。
もしかすると、そこに、その人が現れて、
時と空間を超えて、
一緒に過ごしたということになるんだろうか。


数多くの管製打楽器を使用して、
単調な旋律が、繰り返されるガムラン。
最初は音色やハーモニーににおどろき、
やがて夢心地になって
いつまでも、聞いていたいと
いう気分になってゆく。


また機会があったら、
聴いて体験してみたいな。






2016年11月26日土曜日

立体音楽絵巻


いよいよ、明日(11/27)開催!
淀江文化センターで午後1時半開場、2時開演。
入場料 当日1000円

インドネシアの民族音楽 ガムラン演奏
バリ舞踊に、影絵芝居ワヤン・クリ
韓国民俗舞踊 サムルノリ
などなど、めったにみられない舞台芸能目白押し!
まさに立体音楽絵巻!

そして、エレキ紙芝居「玉清姫」を
声優・古原奈々ちゃんと、ライブ上演!

ゼヒお越しください!

2016年11月20日日曜日

むべなるかな


近所のうどん屋さんで
めずらしい果物を食べてみないかと
女店主からすすめられた。

店で時々出くわす常連のおじさんが、
山歩きで採ってきたそうな。

味見させてもらった。

舌の上にほんのり甘い味が広がる。
マスカットみたい。
でも、中には黒くて硬い種が
びっしり入っているので、
非常に食べづらい。

指で口から種を取り出しながら
「これは、あけび?」
と聞いたら、
店主は首を横に振った。
「いや、ん~っと・・・」
採ってきた常連さんから
聞いた名前を思い出せない様子。

それならと、タブレットで
「あけび 似てる」で検索したら
画像が出てきた。

「むべ」

というらしい。

なんでもそのむかし、
天智天皇が狩りに出かけたところ、
八人の子供をもつ、健康長寿の
老夫婦に出くわしたそうな。

そこで健康長寿の秘訣をお尋ねになった。

するとその老夫婦は
「この地で捕れる無病長寿の靈果を
毎年秋に食します」と言いながら
この果実を差し出したので、

天智天皇もその果物を一口食べて

ほほう、むべなるかな」

(もっともであるな)


と、おっしゃったそうな。

以来、この果物を「むべ」と称するようになったとか。


米子には、誤って人魚の肉を食べてしまい
18歳のまま不老不死になって
八百年生きた比丘尼の伝説があるけど、

人魚の肉より、「むべ」の方が
ずっとお手軽でいいな。

不老不死はいろいろ不都合もありそうだけど
健康長寿にはゼヒなりたい。

2016年11月19日土曜日

地上の星


68年ぶりのウルトラ・スーパー・ムーンは
雨で見られんかったです。
ようやく晴れた二日後、
米子城址に登ってみたですがん。

日の入りと月の出がほぼ同時刻の満月と違って
十七夜は月が出るのが1時間も遅いしこです。

日没後、城山の頂上で月の出を
しばし待つことに。
一緒に登った悪友が、用意してごした
燗酒を片手に「城下」を眺めました。

眼下に広がる夜景を見て
中島みゆきの「地上の星」を思い出しましたわ。

「人は空ばかり見てる」
「地上にある星を誰も覚えていない」

そげです、美しい星はなにも
夜空にだけあるだないです。

足元に人が暮らしている証が
こげして広がっちょうですがん。

たかだか15~16万人の小さな地方都市ですが
みんな一生懸命、輝いちょうですわ。

そりゃ、都心の超高層ビルから見下ろした
大東京の夜景に比べてたら、
どげってこと、ないかもしれんけど、

途方に暮れるような光の洪水と違って、
ここから見える夜景は
建物も、道も、通りも、全部
素性がわかりますけんな。

なんか、イトオシイですわ。

遠くにナトリウム灯の列が見える。
へー、江島大橋か。

急こう配で有名になった
「べた踏み坂」もカワイイもんだがん。

なんやかんや、しゃべってたら、
ようやくオレンジ色のお月さんが
低い雲間から、ちょこっと顔を出した。
雲にまみれた姿は、温泉卵みたい。

確かに、ふだんより大きい黄身でした。







2016年11月15日火曜日

ゴロ画伯のげなげな話: ニンジャ・タートル

ゴロ画伯のげなげな話: ニンジャ・タートル: 走り出したら、いきなりフロントガラスに アマガエルが張り付いた。 運転中なので、取り除けない。 愛車は中古の軽で、 明るい黄緑色にコロンとしたフォルム。 駐車場でいつもアマガエルみたいだな~ と思っていたけど、まさか ホンモノが突...

ニンジャ・タートル


走り出したら、いきなりフロントガラスに
アマガエルが張り付いた。
運転中なので、取り除けない。

愛車は中古の軽で、
明るい黄緑色にコロンとしたフォルム。
駐車場でいつもアマガエルみたいだな~
と思っていたけど、まさか
ホンモノが突然現れるとは。

むこうも親ガエルだと思ったのか知らないけど、
突然動き出して、びっくりしたようだ。

あわててジャンプして、視界から消えた。
落ちたら後続車に潰されちゃうぞ!
と、心配する間もなく、
運転席の窓から顔をのぞかせた。
どうやら飛び移って、ドアをよじ登ってきたようだ。


「お前はニンジャ・タートルか!」

運転席からのツッコミは耳に入らなかったろう
さらにアマガエルは吸盤を使って、ガラスをよじ登る。
ワタシの顔の高さまでやってきた。

ほっぺたに張りついているようで
運転中に気になってしょうがない。

信号のない交差点で、一時停止した時
じぶんで飛び降りてくれた。

もうそろそろ冬眠の季節だ。
ウチからは数百メートル離れてしまったけど
また来年、春になったら会いに来ておくれ。










2016年11月11日金曜日

超絶ホーミー


米子で暮らしていると、時々ここは
「山陰の片田舎」なのか?!と驚く。
たとえば世界の巨匠・押井守監督と
間近で接する機会があったり。

ゆうべもそう思った。
米子公会堂にモンゴル初代大統領がいた。
でも、本当に驚いたのはそのことではない。

モンゴル国立馬頭琴交響楽団の
世界最高峰の「ホーミー」を直接体験したのだ。

モンゴルに伝わる驚異の唱法。
ダミ声の太い低音と、笛のような超高音を
喉から同時に出すワザ。
スゴイ、凄過ぎる。
人間の声とは思えない音。
圧倒された。


実はワタシは7~8年くらい前から
ホーミーに興味を持って、
自分でもあの倍音が出せないかと
日々練習するくらい好きなのだ。
いつかかくし芸として披露するのが目標なのだが
なかなか人前でやるほど上達しない。
笛のような音が出るようにはなったが、
蚊が鳴く程度の音量。

ところが、ホンモノ中のホンモノ、
モンゴル国立馬頭琴交響楽団の第一人者の
ホーミーは、とてつもない声量だった。
おおげさでなく、度胆を抜かれた。


しかもアンコールで日本の名曲「ふるさと」を
浪々と歌い上げたのにはたまげた。
喉を極端に緊張させて絞り出すのがホーミー。
なので音程を操るのは至難のワザ。
まさか、ホーミーであんなに
美しくメロディを追えるとは。

気がつくと、ワタシは立ち上がって、
拍手をしていた。
あれ?なんで、みんな立ち上がらないの?
ひとりスタンディングオベーション(汗)

でも、割れんばかりの拍手。
ハンカチで目を押さえている人も多かった。
米子の観客はレスポンスがいい。