山陰でウナギは食べないことにしていた。
数年前に食べた「天然もの」にがっかりしたから。
「夏の天然」は貧相で脂がのっておらず、臭い。
それに高いとくれば、
三拍子そろったがっかりだ。
だけど、今日食べたうな丼は
養殖だけど大型、脂がのって
ふわっと焼きあがった食感、
カリッと香ばしく焼きあがった皮。
しかも正真正銘の国産
破格の1600円!
「うそ!この値段で?
東京で食べたら絶対3000円以上する!」
それに対して店長の言葉。
「うちでも原価割れてます」
「売れたら売れるほど赤字だがん!」
「お客さんの喜んでる顔が見たいんで」
「どうかしとるな(笑)」
「ええ、まあ(笑)」
心の中で尊敬を込めて
この人ダラズだと思った。
米子駅前「いけよし」は
もともと米子の料理店に卸す
魚介を扱う魚屋さんが本業。
昼間だけ海鮮丼を提供する店を最近はじめた。
ウナギも土用の日前後に
何百本と焼くそうだ。
どおりで、焼き方も上手い。
これはあくまでワタシの推測だけど、
この魚屋さん、
自分が焼いたウナギが他所の店で
食べられているだけじゃ満足できなくなったんだろう。
目の前で美味しいって言ってほしくて
しょうがなかったに違いない。
「てことは、このうな丼
いつも食べられるわけじゃないんだ?」
「もう、シーズンは終わりなんで・・・」
来年も絶対食べる!