海とみなとの映画祭に行ってきた。
(境港・シンフォニーガーデン・9/19)
境港出身の大女優・司葉子さんが
毎年、ステージに上がって
生のトークを披露してくださる。
地元の映画祭ならではの楽しみだ。
出演作「小早川家の秋」(小津安二郎監督)
にまつわるエピソードを、上映する前に
いくつか教えて下さった。
なにしろ司葉子さんは原節子さんが
引退してからもずっと、亡くなるまで
交流していたという大変な方。
日本映画界の至宝ともいえる
「スタア」の素顔を、
これまた「スタア」が直接語るという
映画ファン、特に小津ファンにとっては
信じられない夢みたいな企画。
小津安二郎監督と(ウワサのあった)原節子さんを
イタズラで隣同士に座らせたら、
小津監督はずいぶんご機嫌だったので、
「ああ、ホントに好きなんだ」と思ったとか
プライベートで、原節子さんと一緒に
海水浴に出かけた時、遠くの島まで
泳いで渡るというので、青くなって止めた話とか。
50年以上昔のハズだけれど
まるで女子学生が、
夏休みの出来事を振り返るように
生き生きとおしゃべりされる。
昭和ヒトケタ?とても信じられない。
さすが大女優、いや、
「大スタア」という言葉がピッタリだ。
トークの相手役として舞台に上がった
活弁士の坂本頼光さんと、司会の三浦健吾さんと
その日、映画祭の打ち上げパーティで一緒に呑んだ。
「映画好きなんで、聞きたいこと、
そりゃ、山ほどありました!
でも、いちいち伺っていたら、時間が・・・」
頼光さんの言葉はもっともだ。
映画の上映の事を考えると、
トークの時間は30分が限度かも。
なにしろ「小早川家の秋」は名作で、
銀幕に現れる司葉子さんの可憐さは
大げさでなく、目がくらむ。
くらべると最近の「アイドル」は、
キャンプ場に積み上げられたマキだね。
量は多いけど、不揃いでささくれて、
燃やすしか使い道がない。
でも、集めていっせいに火をつけても、
スタアの輝きの前では、
太陽の前の蛍ほど光らないだろう。
ああ、もっともっと、
本物のスタアのエピソードが
聞きたかったのだが
…また来年を待つしかない。
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