近所のうどん屋さんで
めずらしい果物を食べてみないかと
女店主からすすめられた。
店で時々出くわす常連のおじさんが、
山歩きで採ってきたそうな。
味見させてもらった。
舌の上にほんのり甘い味が広がる。
マスカットみたい。
でも、中には黒くて硬い種が
びっしり入っているので、
非常に食べづらい。
指で口から種を取り出しながら
「これは、あけび?」
と聞いたら、
店主は首を横に振った。
「いや、ん~っと・・・」
採ってきた常連さんから
聞いた名前を思い出せない様子。
それならと、タブレットで
「あけび 似てる」で検索したら
画像が出てきた。
「むべ」
というらしい。
なんでもそのむかし、
天智天皇が狩りに出かけたところ、
八人の子供をもつ、健康長寿の
老夫婦に出くわしたそうな。
そこで健康長寿の秘訣をお尋ねになった。
するとその老夫婦は
「この地で捕れる無病長寿の靈果を
毎年秋に食します」と言いながら
この果実を差し出したので、
天智天皇もその果物を一口食べて
「ほほう、むべなるかな」
(もっともであるな)
と、おっしゃったそうな。
以来、この果物を「むべ」と称するようになったとか。
米子には、誤って人魚の肉を食べてしまい
18歳のまま不老不死になって
八百年生きた比丘尼の伝説があるけど、
人魚の肉より、「むべ」の方が
ずっとお手軽でいいな。
不老不死はいろいろ不都合もありそうだけど
健康長寿にはゼヒなりたい。
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