2017年1月22日日曜日

鹿の町に鳥が住む


鹿野というところに行ってきた。
米子は海沿いの町だけど
鹿野は山間というほどでもないが
日本海からちょっと奥まったところにある。

温泉もある城下町で風情が楽しめるが、
日本一人口の少ない県にあって
さらに人影の少ない町だ。

そうそう、鹿といえば、
戦国武将・山中鹿之介のお墓があるが
地名とは直接関係はないみたい。

この「鹿」の町に
いま「鳥」が住んでいる。

「鳥」というのは劇団員のこと。

これも鳥取県だけに鳥という名が
ついたわけではないようだが
鹿野には「鳥の劇場」という
知る人ぞ知る、スゴイ劇団がある。

なにがスゴイって、
演劇に興味のある人なら
すぐわかることなのだが、
この劇団は自前の劇場を持っていて、
役者・スタッフが専従なのだ。
兼業ではなく専業。
つまり、劇団員が全員演劇だけで食っている、
自活しているらしいのだ。

劇団員は報酬制のNPO職員
ということらしいから
そうそうラクではないと思う。

でも全員がフルタイムで演劇に従事できるなんて、
そんな劇団、たとえ東京はじめ大都市だとしても
よっぽどメジャーでない限り
常識的にはありえないんじゃないかな。
多くの場合、劇団員を続けるためには、
生活のためにアルバイトや副業を持つしかない。

しかも芸術性の高い演劇となると、
それだけを生業にして
食べてゆくなんてことは、至難のワザだ。

それを、人口の少ない鳥取県、
しかも最寄りの駅まで
車で15分という、
都会の演劇人には理解しがたい
不便な土地で実現しているという・・・

いったいどういうことなんだろう。

鹿の町に鳥が住む、不思議。





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