2017年5月12日金曜日

溶岩灯篭


米子から車で40分ほどの距離、
大根島をドライブしていたら、
道端に奇妙な形のオブジェが目に付いたので
車を停めてパシャリ。
高さが2メートル以上で、迫力がある。
隣に祠やお地蔵さんが並んでいたので
きっと石灯篭なんだろう。
でも石灯篭といえば、ふつうはこんな感じだよね。

どちらかというと控えめな存在でしょ?
それにくらべて、これは野趣あふれるというか、
存在感が強烈。
どうにも岩感いや、違和感があるのは
使われている石材のせいだろう。

ゴツゴツした岩肌に無数の穴が開いている。
もしかして、これは溶岩?

なだらかな傾斜の丘陵に
のどかな畑が広がる風景や、
標高25メートル以下の極めて平べったい地形からは
とても想像しにくいのだけれど、
大根島は19万年前に形成されたという
実は火山島なのだ。


つまり、すっごく粘度の低いユルユル溶岩が
地下から湧き出して、広がってできた地形ということらしい。
島のすぐ北に広がる島根半島は、
同じ火山活動でも、モリモリ険しい山稜を作って、
リアス式海岸を形成しているのに比べると
なんとも対称的で不思議。

でも、島のあちこちに、この石灯籠と同じような
溶岩が固まったボコボコ石が転がっている。
正真正銘の火山島なのだ。

大根島はボタンの苗木栽培が有名で、
全国の8割を生産している。
江戸時代は高価な雲州人参(朝鮮人参)で
藩政を支えた農業中心の島。
穏やかな内海に浮かぶ、
のどかな島に見えるかもしれないけど
どっこい、実は火山島なんだぜ!

この石灯籠は、そういった素性を
一人で主張しているかもしれないね。

ところで、ごっつい島根半島を
右下から持ち上げている、
つっかえ棒のようなカタチの弓ヶ浜半島は、
火山活動とは全く関係がない。
大根島よりもさらに平べったく巨大だけど
こちらは、数千年前に形成されたばかり。
砂が堆積してできた日本最大級の砂洲なのだ。

この三種類の特徴的な地形を考えながら
ドライブするのは楽しい。




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