2017年6月7日水曜日

出待ち



浅草・長國寺で毎月第一日曜に開催される
辻講釈(宝井琴梅師匠一門講談会)で、
エレキ紙芝居を上演。
6月の会では米子城にまつわる笑い話に続けて、
5月場所で1年ぶりに優勝した白鵬の逸話
「魂の横綱」を披露した。

白鵬が一人横綱だった時代に、
不祥事で揺れた大相撲協会。
ちょうど同じ時期に東日本大震災が発生、
白鵬は被災地を土俵入りして回った。
そこで、被災者が自分の土俵入りに向かって
手を合わせ一心に拝んでいる姿を見る。
「励まされたのは自分だった」
と、衝撃を受ける。
「あの光景は一生忘れない」
以来、白鵬の大横綱への道が始まった。

その実話を元にして制作した作品。
客席から大きな反応はなかったけど、
お客さんは聞き入ってくれてたので
それなりに手ごたえは感じた。

懇親会のあと、帰路に着こうと建物の外に出た。
すると、お客さんに囲まれた。
女の子がいっせいに黄色い歓声を上げた
・・・わけではなく、
70歳前後、白髪交じりの男性4人組だ。
でも、これっていわゆる
「出待ち」じゃない?

上演した作品について、
「良かった」と一言いいたくて
待っていてくれたとか。感激した。

しかし、そこは団塊世代。
感想がストレートではない。

「俺は白鵬が大っきらいなんだ。
でも、ちょっとだけ・・・好きになったよ」

じ~ん。

紙芝居師冥利につきます。
それから、僭越ながら、
横綱に代わってお礼申し上げます。




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