2017年12月3日日曜日

不思議な鳥居


関金温泉にある不思議な鳥居。
一見どこにでもありそうな石の鳥居だけど、
良く見るとどこかヘン。表裏の向きが逆さなのだ。
「表札」が道側に掲げられていない。
境内側からみると、表札が内側にかかっているのがわかる。
いったいナゼ?


祀られている神様は、境内側にはない。
神様を祀る社(やしろ)もない。
実は、鳥居の向こう、道側の景色の中に
神様がいらっしゃるのだ。


大山。
鳥居でフレーミングされた景色の中央、
連なる山々の中で、ひとつだけ雪化粧をして
目立つ高い山が大山である。

米子側から見る大山は「伯耆富士」と言われ、
左右にすらりと伸びた女性的な稜線が印象的だが
ちょうど対角線の反対側にある中国山地の関金から見ると
まったく違う山容だ。
大山の東側の峰は三鈷峰と呼ばれているのだが
険しく厳しい印象はまさに
密教修行の仏具を彷彿とさせるではないか。

↑三鈷杵↑

これは大山を拝む鳥居なので、
「大山鳥居」というそうな。
遠く中国山地を超えて大山にお詣りに来る人たちの
大山遥拝所だったというわけだ。

不思議な鳥居は古来から続く日本人の
自然信仰の証(あかし)ともいえる。


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