という話を書いた。
でも河童といえば、妖怪の中でも
かなりポピュラーで、全国的な存在。
米子や山陰だけでなく、各地に伝説が残っていて、
しかも、その風貌や特徴には共通項がある。
たとえば、全身緑色で、頭には皿、
背中には甲羅をのせている。
手足の指の間には水かきがあり
するどいくちばしをもつ等々。
そして、人間の尻の穴から手をつっこんで
魂(=しりこだま)を抜いてしまうという。
不思議だ。
もし、子供をおどかして、
水難危険地域に近寄らせないのが目的なら
もっと多彩な種類の妖怪や化け物が
造形されていたっておかしくない。
ヘビやワニみたいな形の怪物でもいいはずなのに
全国で伝えられているこの水辺の妖怪は
むしろ人間の姿に近い。
河の童というくらいで、人間の子供さえ連想させる。
なぜだろう。
米子の河童伝説を紙芝居にしようと思って
あれこれ考えを巡らせていた時、
ハッとあることに気が付いた。
そして、ゾッっとした。
冒頭のカワイイ河童の絵に惹かれて
この文章を読み始めた人は、
ここから先はやめた方がいいかも。
眠れなくなるかもしれないよ。
それではワタシの仮説を披露する。
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河童の正体は流れ着いた水死体。
子供たちは、大人にみっちり愕かされて
水辺に近寄らないようにしている。
それでも、中には何かのきっかけで
実際に河童を目撃してしまう子もいた。
長雨が続く中、いつもは川べりのあぜ道だったところが、
水位が上がって、水浸しになっている。
草木の繁みから、淀みに漂っている何かを見つける。
なんだろうと、こわごわのぞくと
それは、腐敗が進んで人間とは思えない緑色をしている。
ほどけた髪の毛が、水の中でクラゲのように
放射状に広がってユラユラ漂っている。
頭頂を剃った月代(さかやき)が
まるで皿のように見える。
痩せこけた背中からは肋骨が透けて、
カメの甲羅の文様のようだ。
腐敗と水流で顔面の下半分が取れて
上あごだけになったために、
まるで飛び出したクチバシに見える。
ふやけた手足からは皮膚が剥がれ
指の間で広がっている。
なにより恐ろしいのが、肛門だ。
水流が人間を一本の管にしてしまう。
水死体は通常の人間では考えられないくらい
肛門が大きく広がる。
それは、あたかも臓物を全部抜いたような穴だという。
人間のようで人間とはかけはなれた
あまりにも恐ろしい異形に
肝をつぶした子供は、
おそらく一生、その特徴が
頭から離れなかったことだろう。
そしてことあるごとに河童の実在を次世代に伝えた。
ありありとした特徴をリアルに。
河童の特徴が全国どこでも
似たり寄ったりで共通しているのは
想像の根源が水死体だからだ。
でも、キュウリが大好物で
なにかというと、人間と相撲を取りたがるという
河童の特徴もあったな。
う~ん。
いつかこれも水死体、いや、推理したい。
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