大山寺圓流院で開催中の
「大荒神展」(10/15~11/6)に行ってきた。
荒神(こうじん)とは、かまどの神で、
その年の収穫を感謝する行事が
出雲から伯耆にかけて分布している。
荒神さまはなぜか、ヘビの形をしている。
展覧会場はそこかしこに藁で編んだ大蛇だらけ。
かまどとヘビの関係はともかく、
要するに、山陰地方に古くから現在まで続く
「ヘビ信仰」を紹介しているのだ。
ワタシは嬉しくてニタニタしてしまった。
なぜかって?
日本人って、改めてスゴイ!と思うからだ。
だって日本人がヘビをうやまい始めたのは
いったい、いつからだろう。
江戸時代から?五百年前?千年前?
いやいや、そんな「最近」の話じゃない。
少なくとも、縄文時代にはヘビを信仰していた痕跡がある。
頭にヘビをのっけた土偶を例にあげるまでもなく、
そもそも縄文土器のデザインはヘビだらけだ。
ということは、1万年~1万5千年前から
日本人はヘビ信仰を始め、
そして、この展覧会が紹介するように、
21世紀の現在も脈々と続けているということになる。
こんな一貫性のある信仰、世界中どこを探してもないよ。
ものスゴイことだ。
しかも、ヘビ信仰は山陰地方だけに
細々と続いている特殊なものではない。
神社に必ず飾られている、しめ縄。
あれはヘビを象徴している。
もっと踏み込んで、
ヘビの交尾の様子をモデルにしていると
力説する高名な民俗学者もいる。
ヘビが交尾を始めると、まさに、
しめ縄のようにからみつくのだそうな。
現代日本人は気が付かない、
あるいは忘れているだけで
実はず~~~っと日本民族は
ヘビを大切にあがめてきたのだ。
じゃあ、日本人が古くから
ヘビを信仰していたのはナゼか。
きっと古代人はヘビに憧れていたんだろうと思う。
脱皮と冬眠。
ヘビのこの特異な生態が大きく関係している。
黒ずんでヨボヨボになったと思っていたら
皮を脱ぎ捨て、生まれたてのように若返る、脱皮。
それから冬、寒くなると動かなくなって
死んだと思っていたヤツが
春になるとふたたびニョロニョロ動き出す、冬眠。
老けないし、死なない。つまり、不老不死の象徴。
古代人にとっては、ヘビが憧れの存在だったのは
容易に想像できる。
やがて縄文時代が弥生時代になり
稲作がはじまって、大量に穀類を保存するようになると
今度はネズミ対策として、家でヘビを飼う習慣も広まった。
(たぶん、穀物を貯蔵する土器の中で)
そして高脚式の食糧貯蔵庫にも、
同じようにヘビを住まわせただろう。
高い柱に渡された棟木に
ヘビがからみついて守っているカタチ。
ワタシはそれが、鳥居としめ縄の始まりだと思っている。
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