2016年10月24日月曜日

低予算映画の金字塔


「1千万円映画」として企画されたATG映画。
岡本喜八監督の「近頃なぜかチャールストン」。
実際には1600万円くらいかかったらしいが
それにしても破格に低予算だ。
勢ぞろいした名優たちの顔ぶれをみると
とてもそんなこと信じられない。
しかも自分の役どころを
それぞれが誇り高く、じつに嬉しそうに演じている。
よくこんな面白い映画が撮れるもんだ、
さぞかし楽しい撮影現場だったんだろうな、と
勝手に想像して微笑ましくなる。
低予算映画の金字塔と言っていいんじゃないか。
それほどの痛快作。

第六次米子映画事変では、
この隠れた名作を、なんと35ミリフィルム上映。
そのあと、喜八監督夫人で映画プロデューサー、
そして映画監督でもある
岡本みね子氏を招いてのトークショーを開催。
赤井孝美実行委員長とワタシが
インタビュアーになって、
製作秘話を聞き出す役になった。

低予算なので、当時、自宅が
ロケ現場として使用された。
もう家は現存しないので
このフィルムに残っているだけ。
大変懐かしいという話が出た。

来場していた喜八監督のお孫さんの
お嬢さん二人(大学生)にも
登壇してもらい、いっしょに
喜八監督の思い出を語ってもらった。

「近頃なぜかチャールストン」は
素性も年齢も違う人物たちが
ひとつ屋根で暮らす
いわば疑似家族を描いた作品。

ふと考えてみたら、映画の製作スタッフって
ある期間だけ朝から晩まで
一緒に過ごす、疑似家族かもしれない。

そう思うと、この映画を
喜八監督の本当の家族と一緒に
鑑賞し、話題にできたのは
とても不思議だけど、大変幸せなことだよなあ。

DVDが出ているので、レンタルして
この作品、ゼヒ見てください。
できれば大勢の仲間と。
財津一郎や田中邦衛の演技が絶品。
殿山泰司のギャグはもはや感動ものです。


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