生産者の方と同席するという
めったにない体験をした。
しかも、世界で絶賛される黒毛和牛を
手塩にかけて育てていらっしゃる方だ。
緊張。ワタシはグルメではない。
カルビとタンの違いぐらいしかわからない。
部位の名札がズラッと並べられた
高級肉を前にして、たじろいでしまった。
ミスジ、イチボ、クリミ。
う~ん。いかにも専門的だが
チンプンカンプン。
とりあえずミスジなるものを炙って、
口にしてみて腰を抜かした。
どわーっ!めっちゃウマイ~!
甘味があって、コクが舌の上で広がる。
よく、口の中で溶けるという表現があるけど、
そうではない。
それじゃ「肉」という感じがしない。
これは、ちゃんと食べごたえがあって
やわらかいけど、しっかり弾力もある。
いかにも健康的な肉質という感じだ。
ミスジというのは肩甲骨の裏側の部分で
牛一頭で、ほんの少ししかとることのできない
それは貴重な部位だそうな。
食通の間では知られた部位で
メニューにあるだけでその店は
一目置かれるぐらいだとか。
なるほど、どうりでウマイわけだ~。
しかも、「大山黒牛」ときてる。
実は鳥取県は日本のブランド和牛の
すべての始祖である「気高号」を生んだ土地柄だ。
その本家の土地で育った「大山黒牛」こそ
数ある和牛の中でも、
もっとも由緒正しい銘柄牛といえる。
そして、なんといっても、
ストレスなく牛がのびのび育つ環境こそが
おいしさの秘訣だという。
百年もの歳月を経て濾過された
大山の豊かな伏流水を飲み
ミネラル豊富な名水で育った藁を食べ、
一頭一頭手間ひまかけて育てられているそうな。
つまり大山の恵みをいっぱいうけた味なのだ。
その肉を徹底的においしく提供しようとする店もすごい。
部位によって食感と味が違うのは当然だとしても、
肉をひきたてる、タレや塩、わさびなど
相性を考え抜いて、細かく店のおススメを提案している。
びっくりしたのは、メレンゲ。
あらためて黄身を溶いてまぜるのだけれど
これが、タレのつけ焼き肉と相性が抜群。
笑っちゃうくらいウマイ。
高級肉でもスキ焼のおいしさを
味わえるように工夫してこの形になったとか。
アイデアに脱帽!
「日本各地を旅行して回ったが
一番オイシイ体験だった。
神戸牛より美味かった」と言った
外国人観光客がいたらしいけど
さもありなん、だ。
そのうち世界中の肉好きが
押し掛けるようになるんじゃないかな。
米子近辺の人は今のうちに
行っておいた方がいいよ~。
これだけの代物が
ちょっと信じられないくらい
リーズナブルな値段で提供されてる。
大山黒牛専門店「強小亭」
(米子市角盤町)
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