久しぶりに訪れた母校。
ノスタルジーにひたれるかと思いきや、
通いなれた校舎が完全リニューアルされていて
別の高校のようになっていた。
とたんに、初めて登校する転校生のような
アウエー気分。
緊張しながら受付で要件を伝え、
担当の先生を呼び出してもらう。
待っている間、ふと振り返ると
入り口の絵に見覚えが。
近寄ってまじまじ見る。
ああ、やっぱり。
恩師の美術の先生だ。
※
美術系に進みたいという生徒が
数年に一人しか現れない母校で
かなり浮いた存在だったワタシを
卒業するまで面倒見てもらった。
とはいえ、会話らしい会話をした覚えがない。
必要最低限の言葉で済ます、きわめて寡黙な先生で、
先生同士で談笑しているような姿さえ
とんと記憶にない。
良く言えば「孤高」、
そうでなければ「はぐれ者」。
金八先生のような長髪で
メガネにちょび髭という個性の強い風貌。
ヘビースモーカー&酒豪。
でも生徒と熱く交わることなく
金八先生と正反対で
寡黙に自分の世界を追及するタイプ。
※
「僕の好きな先生」という曲がある。
高校時代、バンド活動にのめりこんで
欠席や遅刻ばかりだった忌野清志郎が
美術部顧問の先生を慕って書いた初期のヒット作。
時々カラオケで歌う。
もう、先生とは会えないけど。
絵と再会できた。
「♪たばこと絵の具のにおいの
あの部屋にいつも一人
たばこを吸いながら
キャンバスに向かってた
僕の好きな先生
僕の好きなおじさん♪」
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