2019年2月3日日曜日

桃太郎の真相



人間が桃から生まれるはずがない。

昔、城が攻め落ちる寸前、決死の覚悟で
城主の若妻が落ち延びようとしていた。
城主の子を宿す身重の体で、
ひたすら山中を逃げまわったが
敵に追いつめられて、
もはやこれまでと、川に身を投げた。
深い谷底に落ち、そのまま下流に流されていった。

高い身分を証明する錦の着物は激流に奪われ、
はだけた腹部が、白桃のように膨らんで川面に突き出していた。
これを領内に住む村の婆が洗濯中に発見、
川から救出し、家に連れ帰ったが息を引き取った。
老夫婦が力を合わせ、帝王切開した腹の赤子は
奇跡的に助かった。

滅ぼされた城主の跡継ぎであることを隠し、
老夫婦によって、ひそかに育てられた
この男の子がやがて鬼と恐れられた横暴な領主の
打倒に立ち上がり、各地の援軍を率い、
両親の復讐を果たすことになる。

戦国時代の実話が、生々しさをオブラートに包んで、
やさしいおとぎ話となって伝わったのが「桃太郎」である。


…と、ワタシは想像していたのだが、

どうやら違うらしい。

チコちゃんによると、桃太郎は江戸時代まで、
なんと、桃から生まれた設定ではなかったそうな。
川で拾った桃を食べて若返った老夫婦の間にできたのが桃太郎。
つまり精力増進する不思議な桃の効能で、
老夫婦がハツラツになっちゃって、子までなしたという
ある種の「大人のおとぎ話」だったようだ。
桃源郷ていうくらいだから、桃はちょっとエロい。

ところが、これが明治になって、
教科書に採用されることに。

小さな桃太郎が大きな鬼を退治する部分が、
列強に立ち向かう富国強兵をそだてる、
当時の教育スローガンにちょうどよかったらしい。
しかし、老夫婦が桃を食べて子作りしたというのでは、
教育上よろしくない。という「大人の忖度」が働いて
桃から生まれたという子供向けファンタジーに
変更されたというのが真相なんだそうな。

ちえ。
つまんねえの。




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