歌川広重が160年前に描いた浮世絵。
外の景色を眺めている猫。
いったいなにを見つめているのだろう?
遠くの富士山?
並んで飛んでいる鳥の群れ?
いやいや、視線はもっと下。
画面中央に、長く続く行列が見える。
アップした画像を良く見ると、
江戸の町民が大勢並んでいる。
「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」
という絵のタイトルからわかるのは
場所は江戸の名所で、浅草の田んぼ、
酉の市にお詣りする人の賑わいだ。
なるほど、行列のあちこちに
大きな熊手を掲げているのがわかる。
猫が見つめているのは、行列の行先
酉の市発祥の地、長國寺だ。
ということは、猫がいるこの場所は?
研究者によれば、距離と方角から類推して
吉原にあたるんだそうな。
猫は遊郭の一室から窓の外を見ているのだ。
つまり、この絵の隠されたテーマは
実は絵の左はじに描かれた
衝立のむこうにいるはずの
男女!なのだ。
浮世絵研究家の牧野健太郎氏は
当時の江戸の訳知りなら
なにげなく出窓に掛けられた
手ぬぐいの柄、畳の上のかんざし
などの散りばめられたヒントによって、
その「営業中」の男女が誰であるか
すぐに察しがついただろうと、
はおっしゃる。
江戸のゴシップというわけだ!
う~ん。面白い!
猫の視線の先にある長國寺で
いまは第一日曜日の午後1時から
講談師・宝井琴梅師匠の一門による
辻講釈が開催される。
辻講釈が開催される。
わたしもエレキ紙芝居を披露している。
江戸情緒たっぷりの話芸と
ゴロ画伯の絵解き、
時間があったら遊びに来てください。
入場無料(投げ銭大歓迎)!
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