2017年3月14日火曜日

プライベートな風景


山陰の季節の中で、今の時季が一番好き。
三寒四温という言葉があるけれど、
冬と春のせめぎあい、
それをダイナミックな風景で
実感できるのが山陰だ。

陽だまりの若草に春の到来を感じたら
抵抗するように冬が立ちはだかる。
北風に雪をちらつかせたり、
灰色の厚い雲で空を覆ってしまう。
はたまた島根半島に冷たい海風をぶつけ
「八雲立つ」の言葉通り、
様々な形状の雲に姿に変化させて
低空飛行で次々送り込む。

負けじと春がその雲の切れ間をやぶって、
地上に日差しを降り注いでくる。
その様子はまるでご来光、
洋風に言えば「天子の梯子」。
実に神々しい風景が展開する。

9号線のバイパスを走っていると
地上だけでなく、日本海や中海に
雲を裂いて天子の梯子がいくつも下ろされるのが見える。
時に海面にまでスポットライトが届いて、
そこだけ出来た光の輪が、雲の流れと同時に
海面をゆっくり移動していく。
そんなパノラマが車窓に飛び込んでくる。

「うおーっ」
ハンドルを握りながら歓喜の雄叫びを
思わずあげてしまう。
ひょっとすると今、この神々しい瞬間・風景に
気が付いているのは自分だけかもしれない!

てことは、てことは
自分だけに与えられたミラクルなのでは~!

・・・そんなプライベートな風景に出会える
この季節の山陰こそおススメです。




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