山深い土地で、不思議な神社と出くわした。
池の真ん中に小島があり、小さな社がポツリ。
そこへミニチュアのような参道、
木の橋が渡してある。
こういった造りは弁財天が祀られていることが
多いのだけれど、ここは
「金儲神社」とある。
金儲けの神様?
随分ストレートなネーミングだ。
そんな神様いたっけ?
だいたい、お金や貨幣は
日本の神様が生まれた
ずっとずっと後になって出来た
概念じゃないのかな。
と首をかしげていたら、
池のほとりに由来を示す看板があった。
この池のすぐ上の高台に鎮座する
「金屋子(かなやご)神社」と関係が深いようだ。
そもそもワタシの目的は
金屋子の神様にお詣りにしに来たのだった。
全国の鍛冶屋に信仰される「鉄の神様」。
なんと世界企業トヨタも祀っているといわれる。
その総本社がここ、安来市広瀬町西比田の地におわすのだ。
参道の脇にはケラと呼ばれる鉄塊が奉納?されている。
たたら製鉄の炉の底にたまる純度の低い鉄だ。
で、話を元に戻すと、金儲神社は
金屋子さんを信仰する信者の神社だそうな。
「金」の「信者」をくっつけると
「金儲」神社という理屈で
この名前になったらしい。
昭和初期に身寄りのない少年が、
金屋子神社の神職にひきとられた。
ある時、三宝に塵を被った白蛇が乗っていて、
この池で白蛇を洗ってやったら霊能力がついた。
それ以来熱心に金屋子さんに仕え、
やがて地域の鉄山師などの尽力を受け、
独立して財をなしたとか。
つまり、実際に儲かったわけだ。
そういえば白蛇さんは金運の神さまだともいうしね。
で、そのお礼にこの社を造営したということのようだ。
そもそも、製鉄業をなりわいとする鉄山師は
古来より莫大な富を築いてきたと言われる。
その信仰の対象が金屋子さんだ。
天才的に金儲けが下手なワタシでも
真剣にお詣りすれば、儲かるかなあ。
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