2017年8月20日日曜日

錦海(きんかい)を見たことある?


観光地としては知名度の低い中海(なかうみ)。
でも米子市内から出発する遊覧船があるのだ。
加茂川の狭い水路をまたいでいる架橋を
身をかがめてスレスレに何本かくぐると、
とつぜん広々とした湖に出る。

ガイドさんによると、風速2メートル、
いわゆるベタ凪ぎだ。
まったくといっていいほど波がない。

雲が出ていて「逆さ大山」までは望めなかったが、
水面が鏡みたいになって建物が逆さに映るほど。


中海は「海」と名がつくけど、湖だ。
ガイドさんは淡水と海水が混じり合う、
汽水湖としてはサロマ湖に次いで
日本第二の大きさだと力説していた。

昔の人は中海(なかうみ)ではなく
錦海(きんかい)と呼んでいた。

夕凪で広大な鏡と化した湖面に、
夕焼けが移りこんで
錦のように鮮やかな絶景になる海、
ということなんだろう。
じゃあ、どこから見たら
錦の海を一番実感できるだろう。

もちろん、米子城天守台だ。

日本中を巡る城マニアの中では
米子城からの眺望は日本一、二を争うと評判。
島根半島を背負った中海と弓ヶ浜半島、
日本海から大山まで一望できる風景は
たしかに息をのむ大パノラマだ。

ワタシは天守台で観月の酒宴を
悪友と毎月のように楽しんでいる。
特に夕暮れ時の城山から見渡す中海は
息を呑むほどビューティフルで
とりこになっている。
まさに錦の海と呼ぶにふさわしい美しさなのだ。

ところが、このことは地元民にすら
あまり知られていないようだ。

中海の観光地としての知名度を上げるのは、
とりあえず地元の人もほとんど使わない
「錦海(きんかい)」の名称を
リバイバルさせるのがいいかも。

とりあえず地元住民に
片っ端から質問してみるか。
「錦海を見たことある?」
なにそれ?と聞かれたら
「城山から見る、夕焼けの錦の海。
絶景の錦海を見たことがないのは
米子人、いや日本人として一生の損!」

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