戸田海笛(とだかいてき)という彫刻家&日本画家がいたそうな。
米子の両三柳出身で、大正時代から昭和初期にかけて活躍したとか。
パリ国立近代美術館に墨絵2点が収蔵されてるらしい。
ホンモノは見損ねたけど、この写真をみただけでも
すごい力量の作家なんじゃないか?
あんまり知られていないのは、修行先のパリで客死したせいかな。
享年45歳。親友の洋画家・藤田嗣二が葬式をしてくれたそうだ。
パリに旅立つ前、茨城県の結城でレリーフ彫刻を製作した。
縦1.8メートル、横7.6メートルという大作。
「喜怒哀楽の図」
これがそのホンモノ↓
天孫降臨から明治天皇までを題材に
人物365人や十二支が描かれていて圧巻の出来。
これを仕上げた海笛さんは、生前葬をあげて
パリに向け海を渡ったそうな。
神話の世界を描いて、渡仏…。意味深…。
いや、もちろん茶化す気はないよ。
この時代、海外修行に出るとは、
相当な覚悟が必要だったんだろうなあ。
あるいは自分の運命を予見していたのだろうか。
いずれにしても、先人はスゴイ。
ちなみにワタシがこの「渡仏覚悟」の作品と
出会った場所、わかります?
実は、皆生温泉の日帰り入浴施設、
OUランドの休憩スペース。
近くには湯上りの客用のマッサージチェアが並んでいる場所なのだ。
この作品はもともと支援者の依頼で
応接間用に作られたんだけど、デカすぎて入らず、
その後も、展示スペースに困って、
あちこちたらいまわしされていたものが
このたび目出度く「里帰り」して、
郷土の温泉施設に落ち着くことになったということらしい。
当然、ワタシも湯上りで作品と対面した。
ワタシは最近、旅することが多くなってきた。
もしかしたら、旅先でお迎えが来て
「渡仏」することになるかもしれない。
もちろん運命は選ぶことはできないのだろうけど、
外国じゃなくて国内がいいなあ。
できれば温泉がいいな。
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